死神のマリアージュ

特進クラスの親睦会兼歓迎会

「行ってきます」
「行ってらっしゃい!」「気をつけてね」
「まー姉ちゃん!私のお弁当作ってくれた?」
「うん。いつものところに置いてるよ」
「ありがとう!今ダイエット中だから助かるぅ」
「じゃー俺も行ってきまーす!塩巻いて、塩」「俺にも塩おねがい」
「はいはい」
「今日の高等部送迎は誰が担当だ?」
「俺サマよっ!今日は高等部担当な・の・で!」
(あらた)はいくつになっても暑苦しいね」
(たけ)ちゃんひどっ!せめて“テンションハイな元気男”って言ってくんない?」

家庭内人口が多い神谷家では特に朝、学園に行く子世代で玄関は大賑わいだというのに、父さんたちがさらに拍車をかけている。
ちなみに神谷家では、家を出るとき玄関で浄化作用のある天然塩をひとふりするのがルールだ。
外に出る自分の身を邪気からある程度護るためにも、この「儀式」は欠かせない。

大賑わいや塩巻きも、私にとってはいつもの朝の風景であり、朝の玄関のひととき。
だから「いつもどおり」を見ることで、私は安心して学園に行くことができる。
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