死神のマリアージュ
慶葉学園は、ただ学力レベルが高いだけではない。
全生徒の半数以上は経済界や財界、政界、医療界、法曹界や芸能界等、各界の有名人や大物といった、いわゆる「家柄の良いお金持ち」の子どもで占められている。
そのため学園には、車で通学してくる生徒がとても多い。
神谷家は、私たち子世代全員が慶葉に通っているので、初等部(小学校)から高等部まで、それぞれ「部」ごとに親の誰かが車を運転して学園まで送ってくれる。

徒歩や自転車で通うには遠過ぎるし、かといって電車やバス等、公共機関を使っての通学となると、「受信機体質」の私には到底ムリな話だ。
ラッシュアワーの満員電車やバスに乗ることがまずできないし、万が一乗れたとしても、乗客の気や念を受けまくって絶対すぐ気分悪くなるか、倒れてしまうのがオチだから。

それに、いわゆる大物の子息や令嬢にとって、車(送迎してもらう)通学は当たり前のことというか・・自分自身や家族のプライバシーを護るため、そして誘拐等の事件に巻き込まれないためにも理にかなったことなのだ。
まあ神谷家(うち)は「大物」じゃあないと思うし、私自身は「令嬢」だとも思ってないけど・・・。
< 90 / 359 >

この作品をシェア

pagetop