声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました
「(??)」
「ダーメ。私が食べさせてあげる」
「(え~!!!)」

 なんということでしょう!
 そんなお兄さまの手を煩わせるなど、というよりも皆さんが見ている前でそんな恋人のようなこと、恥ずかしいです!

「ほら、口開けないとあげないよ?」
「(ぐううー)」

 お兄さまは結構意地悪だったのですね……。
 私は意を決して思わず目をつぶりながら口をあけて、あ~んをしてもらいました。
 すると口の中にふんわりとした生地と中からカットされたベリーの甘酸っぱさが広がって、思わず口もとに手を当ててしまいます。
 美味しいっ!!
< 110 / 131 >

この作品をシェア

pagetop