声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました
「ラルス様、やはり近隣住民も何度かシスターが葉巻を吸うところを見ていたようです」
「ではやはり火事の原因はその可能性が高いな。シスターの行方は?」
「はい、ようやく見つかりまして隣町の空き家を勝手に使用して住んでいるようです」

 私はその発言を聞き心からシスターのことを軽蔑した。
 子供たちを導き救うべき立場のシスターがそのような振る舞い許されるわけがない。

「それからラルス様のご指示通り調査しましたところ、やはり子供たちはみな教育なども受けておらず修道院でも度を超えた労働をおこなわせ、体罰は日常茶飯事のようでした」
「わかった、資料をまとめるので少しだけ待ってもらえるか?」
「かしこまりました」

 私は調査報告書として父上に提出する資料のまとめの続きを書き始めた。

 書き始めて私は念のため、目の前にいるロルフに確認をする。
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