声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました
「(私、やります!)」

 そんな言葉が伝わるように、私は大きく一つ頷いて目をしっかりと見ました。
 思いが伝わったようで公爵さまは私の頭をなでに近寄ってくると、にこりと笑ってくださいました。

「ローゼマリー、立派なレディになれるようにがんばるんだぞ」
「(はいっ!!)」

 私も公爵さまに笑みを返しました──



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