崖っぷち告白大作戦⁉︎〜彼氏と後輩に裏切られたら、何故か上司に寵愛されました〜
「あぁんっ、やっ、あああ」

「俺はね、天莉(あまり)のそういう声がっ、聴きたくてたまらない、んだ、よっ」

「で、もっ」

「まだ言う気なのか、天莉。俺以外の男が言ったことなんてっ、……綺麗さっぱり忘れてしまえ」

 今後、天莉に触れる男は、(じん)以外にありはしないのだから。

「ホ、ントに、……いい、のっ?」

「いいに……決まってる、だろ? 何故そんなに……確認する?」

 こんな可愛い声を聴きたくないなんて愚かなこと、言えるわけがない。

 何より、自分の手練手管で女性が感じてくれるとかご褒美でしかないし、『もっとして欲しい』とか『気持ちいい』なんて求められた日には、男冥利(おとこみょうり)に尽きると言うもの。

 それに、もし不快なことをした場合にだって、言ってもらえなければ気付けないかも知れないではないか。

(まぁ、相手の反応を見てれば大体分かるが……)

 だが女性は男に気を遣って演技してくれる場合もある。

 そうされるよりはいっそ、痛い時は痛い、気持ち良くない時は違うところに触れて欲しいと、素直に教えてもらえる方が有難いくらいだ。

 でないと、ひとりよがりな男になってしまう。


「そんなの許したらっ、痛い……とか言っちゃう、かも知れない、の、に?」

「ああ、もちろん言っていいに決まってる。むしろ、痛いのに我慢するのとか、絶対になしだからね?」

 尽がそう告げた途端、鏡の中、尽を見つめる天莉が、泣きそうな顔をするから。

 尽はハッとさせられた。

横野(あの男)、天莉に痛い思いをさせておいて、声を上げた天莉に逆ギレでもしてたのか?)

 それもきっと……しつこいぐらいに何度も何度も。

 それこそ天莉が痛みを訴えるたび、再三に渡って男がすることに意見することは《《女性として恥ずかしいこと》》だとでも言ったんだろう。
< 199 / 351 >

この作品をシェア

pagetop