クールな君と愛しすぎる僕
クールな寧音ちゃんと愛しすぎる僕
~~~登羽 side~~~

あれから3ヶ月が経った。


寧音は、この沢山の寧音に囲まれた監禁生活の中。
自我を保っていた。

変わりない、いつもの寧音。


寧音より先に起きて、写真を撮りまくる。
もう寧音は仕事をしてないので、アラームは鳴らない。
僕はひたすら写真を撮りながら寧音が起きるのを待つ。

「ん…」

「あ!寧音ちゃん!起きた?」

「登羽…おはよう…」

「フフ…おはようー
寧音ちゃん、チューしよー?」

僕はまたひたすら、寧音にキスを繰り返す。


「んー、寧音ちゃん好き好きー
はぁ…可愛い…可愛い……好き…好き、寧音ちゃん」

「ん…と…わ……も…やめ…」

「やだー、まだまだチューしよー」


昼近くまでひたすらキスをして、漸く食事にとりかかる。

仲良く作って食べて、またキスを繰り返す。


それから寧音を横に座らせた状態で、僕は仕事をする。

僕達は、片時も離れない。

僕達が離れる時は、トイレと僕が仕事でクライアントに会う時だけ。

それ以外は、許されない。



「━━━━━登羽」

「ん?なぁに?
寂しくなっちゃった?
それとも、チューする?」

「ううん。
私、邪魔じゃないの?
気が散らない?」

「全然!
寧音ちゃんとここに越してきてからの僕の仕事、凄く増えたんだよ?
逆に、依頼が多すぎて大変なくらい」

そう━━━━寧音が傍にいるこの状況のおかげで、仕事がスムーズに進み、僕はいまやそれなりの有名デザイナーだ。

フリーで仕事をしていて本当に良かった。

そのおかげで、自由に仕事ができる。

上手く調整しながら仕事をし、寧音とも離れずに生活。
これ以上ない、幸せだ。


しかし今日は、クライアントに会いデザインの調整をする日。

寧音と数時間、離れないとならない。

「はぁ…行かなきゃ」

「うん」

「寧音ちゃん、チューして?
僕に充電して?」

「うん」

寧音が僕の頬を包み込み、口唇を寄せる。

“好き…登羽…好き…!”と囁いて、キスを繰り返す。


あぁ…幸せ!

これがあるから、僕は生きていける。
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