死体写真2
☆☆☆

一歩踏み込むと足ともに蓄積している木々の枝がバキバキと音を鳴らす。


普段はもう少し整備されているのだろうけれど、長く続く悪天候のために足元は最悪だった。


落ち葉が山積しているため、その下にある蔦植物に気がつくことができず、足をとられそうになってしまう。


毅の後ろでは結がなんどもこけそうになっている。


「くそっ。なかなか前に進めないな」


想像以上に足元が悪くて舌打ちしたしまう。


山の中は雨音ばかりが聞こえてきて、哲也の姿はまだ見えない。


あいつ、どこまでトイレに行ってんだよ。


まるで女子のように周囲を気にして奥へ奥へと入っていってしまったのかもしれない。


一度来た道を振り向いて確認する。


まだ迷ってしまうほど奥深くまでは来ていないから大丈夫そうだ。


哲也を探しに来てこっちまで迷子になったんじゃたまらない。
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