死体写真2
ルール上、勝ったら相手のカードも自分のものにできる。


もちろん遊び終わった後はそれぞれに返すようにしている。


大河はこのゲームよりも友人らと机を囲んで遊ぶという、その雰囲気が大好きだった。


さっきみたいにオーバーに悲しんで見せる友人もいれば「そんなカードいらなかったし」と負け惜しみを言い出す友人もいる。


同じ人間なのにこれだけ性格が違うということが、大河には魅力的に写っていた。


高校に入学してからカードゲームはあまりしなくなったけれど、その人気はまだ続いているようだった。


大河は部活でバスケを続けながら恋愛を経験するようになった。


人望があつくスポーツができて成績も悪くない。


そんな大河は女子生徒に大人気だ。


「お前さ、なんか気持ち悪いよな」


3年生に上がって同じクラスになった哲也がしかめっ面をしてそう声をかけてきた。


突然の言葉に大河はとまどい、まばたきを繰り返す。


今の言葉はどういう意味だろう?


聞き返す前に哲也が補足していた。


「なんか、ずっと仮面かぶってるみてぇ」


それだけ言うと哲也は毅と肩を並べて教室を出て行ってしまった。


大河はふたりの後ろ姿を無表情でジッと見つめていたのだった。
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