死体写真2
☆☆☆

さすがに死体が残されたままではトイレを使うこともできないので、毅と哲也のふたりが由香里を教室へと移動させてくれた。


教室内のドアを開けると、分に尿の匂いと腐り始めた肉の匂いが鼻腔を刺激して吐き気がした。


どうにか先生の死体の隣に由香里を寝かせて、体育館倉庫から持ってきたビニールシートをかぶせた。


これで少しは腐臭が漏れ出すのも防げることだろう。


「ここに来てからはイジメてなかったのに」


食堂に椅子に力なく座って美幸が呟く。


林間学校へ来てからは由香里へのイジメはたしかになかった。


だけどそれは、ここへ来てすぐに先生へのメールが届いたからだ。


それがなければきっと今頃、由香里はひとりになっていただろう。


そう考えて結の視線は自然と匠へと移動していた。


匠は林間学校に参加しているものの、ほとんど口をきかない。
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