殺人薬
「移動させてくれたんだね、ありがとう」
花は台所から食器を食卓に運びながら言った。
「いいの、見たって辛いだけだもん。今ね、カレー作ったんだ。皆で食べよ?」
とてもご飯を食べる気分ではない事はわかっていた。
しかし、花はある事を決めていたのだ。
それは、今日裕斗に自分を殺させるという事だった。
それを決めてから花はわざと明るく振舞おうとご飯を作った。
自分の命を糧にこれからも生きて欲しいという願いを込めて。