大食いパーティー、ガーデンにて奮闘する
 そこへ、ハリスが苦笑しながら別の皿を持ってきてくれた。
「関節周りを保護するバフがつくはずだ。テオに食べさせてやってくれ」
 
 皿に宝石貝の貝柱が盛られている。
 40個の宝石貝から大当たりの宝石が5個出てきたらしい。まずまずの収穫だ。貝殻も売れるし、身は食べられる。なんと無駄のない魔物なんだろうか。
 
 輪切りの貝柱は表面をさっと(あぶ)ってある。付け合わせはサッと湯がいて刻んだオカヒジキで、味付けは岩塩のみのとてもシンプルな一品。
 薄っすら焦げ目のついた乳白色の貝柱の表面でキラキラ光っている岩塩の粒は、まるで宝石のようだ。

 思わず目を輝かせ、テオよりも先にリリアナがひとつ食べた。
 外側は香ばしくプリッと、中はレアのしっとり食感だ。その歯触りを楽しみながら貝柱の繊維に沿って咀嚼するとジュワっと貝特有の旨味が溢れだす。
 岩塩が引き立て役となって甘みが増していて、塩味のバランスも絶妙だ。

「美味しい!」
「おいコラ、俺にも食わせろ」
 ひとつ食べたテオも「おっ!?」という顔をする。このシンプルな炙り貝柱が気に入ったらしい。

 ふたりは争うように貝柱を食べ、残りの海王魚のカルパッチョも残すことなくすべてリリアナが平らげた。
 そして食事が終わる頃には、テオの右肩はいつも通り動かせるようにまで回復したのだった。
 
 ちなみに海王魚のバフは水中で長く息が止められることだ。
「よしっ! もうひと泳ぎしようぜ!」
 テオが肩をグルグル回す。
「ええっ!? わたしはもう当分海水浴は嫌よっ!」
 リリアナの叫びが砂浜に響き渡った。

 
(7皿目・完食)
 
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