愛されていると勘違いしそうなのでこれ以上優しくしないでください【コミカライズ原作】
私の両親は、私が高校に入学してすぐ事故で亡くなった。ひとりぼっちになった私だったけど、近所に住んでいた父の兄である叔父さんが、可哀想だからと私を引き取ってくれた。

両親に甘やかされて育った私はどうしたらいいかわからず途方に暮れそうになっていたので、その申し出はありがたかった。

「一人でも生きていけるように家事を覚えなさい」

そう叔母さんに言われて家事を叩き込まれた。
お母さんのお手伝いしかしたことがなかった私は、叔母さんに厳しく家事を叩き込まれ、いつの間にかこの家の家事全般を受け持つことになっていた。

何で私が……と思ったこともある。

けれど不自由なく高校に行かせてもらえ部屋も与えられていることは、ありがたいことに変わりはない。

それにコツコツ貯金をして家を出るのが今の私の夢。毎月一万円別口座に貯金している。

本当は社会人になったら家を出たかったけれど、それは叔母さんが許してくれなかった。
理由は『家を提供して育ててやった恩返しができていないから』だそうだ。

だから毎月給料の半分は家賃として渡し、その他に家事全般を請け負っているのが現状だ。

反発したい気持ちもあったけれど、過去に何度も罵倒されたことがフラッシュバックするのでとりあえず大人しく従っている。
その方が精神的にも平和だからだ。
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