マグ

それまで私はいつも、何かを問い質されては必死に答えるばかりだった。


自分からこんな風に、感情をぶつけて問いかけることなどしたことがなかった。


彼は口に手を当てて、考え込むようにしていた。


言葉を捜しているだろうか?


しばらくして彼は低い声で話し出した。



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