恋愛したことのない仕事人間が、真っ直ぐに愛を告げられまして。



  ***


 陽世さんへの気持ちに気づいてから、数日経った。
 会いたいと言った私だけど、中々彼のシフトと私の出勤日と休みが重なることがなくて……一緒にお仕事をする日になってしまった。まさかプライベートではなくて仕事が先になるとは思わなかった。


「こんにちわ。宗尊です。今日はサービス担当会議で参りました」

「宗尊さんですね。ありがとうございます。本日は、二階の会議室にてお願いしますとのことです。よろしくお願いします」

「ありがとうございます、こちらこそよろしくお願いします」


 私は受付の人にお礼を言い、エレベーターで二階に上がる。二階の会議室は一度行ったことがある。エレベーターを降り、詰め所の隣の部屋だ。


「……なんか、緊張する」

 
 二階だからかすぐに着いてしまって《二階です》とアナウンスがあり、急いで降りる。降りて詰め所に行き、看護師へ声をかける。


「宗尊さん。わざわざ来てくれてありがとうね……じゃあ、会議室を鍵開けるわ。岩崎を呼ぶから」

「ありがとうございます……」



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