"ぶっきらぼうで笑わない女神"の恋愛事情
真琴のお腹が目立つようになり、服装もゆったりとしたものに変えた。
小百合はいそいそとベビー用品グッズを買い込んでいる。性別は訊いていないので、オレンジベースで向日葵をモチーフにした物を選んでいるようだ。


穏やかな日曜日の昼下がり、真琴は恭平と一緒に高御堂家のリビングでスエの淹れてくれたお茶を飲んでいる。相変わらず美味しい。
洸平は跪き、ニコニコしながら真琴のお腹を触っている。

「おい、洸平、触りすぎだ」

「えぇぇぇ、いいじゃない。赤ちゃんも喜んでるし」

「はぁ?」

「だって、ほら、踊ってるみたいに動いてるよ」

「踊ってるってお前……おっ、ホントだ」

「ねっ!」

ふたりの大きな手に包まれて、この子は幸せだ。真琴の顔も緩む。

「どれどれ、私も触らせてくれんかね」

「どうぞ、お義父さま」

「うんうん、こりゃあ、本当に踊っているな」

「次はわたくしの番よ。あらまぁ、ホントだわ。元気に踊ってるわね」

優しい眼差しで見守っていたスエにも声をかけてみた。

「スエさんも触ってくれませんか?」

「え!どんでもないことでございます。私のような者が」

真琴は立ち上がり、スエの傍に寄ると、スエの手をとってお腹に触れさせた。

「あらぁ、元気に踊ってらっしゃる。早くお会いしとうございますね」

穏やかな時間が流れる中、インターホンが鳴る。

「あっ、来たね」

洸平が立ち上がり、リビングを出て行った。
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