"ぶっきらぼうで笑わない女神"の恋愛事情
「Tu me rends tellement heureuse」
(あなたといると幸せです)

「Merci de m'avoir choisie」
(私を選んでくれてありがとう)


「え……」

恭平が埋めていた顔を上げ、真琴を見つめる。

「真琴?」

「もう一度言いますね」

「Tu me rends tellement heureuse. Merci de m'avoir choisie」

「恭平さん、伝わってますか?」

恭平は琥珀色の瞳を潤ませ、何度も頷いている。

「どうして…」

「恭平さんが、また、ワインに囲まれて仕事をする日のための準備中です」

「真琴……」

恭平は真琴の頬を両手で包む。

「Je t'aime Makoto」
(愛してるよ真琴)

「Je ne peux pas vivre sans toi.」
(君がいないと生きていけない)

初めて聴く恭平のフランス語と、甘く優しい口づけが真琴の心と身体を蕩けさせた。

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