"ぶっきらぼうで笑わない女神"の恋愛事情
真琴には父親がいない。正確には、いるにはいるが、どこの誰なのか知らされてはいない。知ろうとも思わない。
直子は地方の観光地で小料理屋を営んでいる。優美な店主によって作り出される一品一品は来店客の舌を唸らせ、直子の一際目立つ品の良さも相まって、予約なしでは入れない人気店と評されている。
特に、直子の作る山菜おこわは絶品で、それだけを目当てにやってくる客も多い。
直子は、その容姿から何人もの男性客にアプローチを受け、その度に、店から足が遠のいてしまわないよう細かく気を配り断っている。
そんな直子が愛した人は、真琴の父親ただ一人。許されぬ恋。
直子はどうしても彼の子供が欲しかった。一緒になれないのなら、彼の子供だけでも授かりたいという欲望が、直子の理性を失わせ、自分が生まれた。真琴はそう思っている。
片親だからと後ろ指を指されないよう、真琴は厳しく育てられた。立ち振る舞いは特に厳しく。習い事は、習字にそろばん、生花、琴、日本舞踊。
スイミングやピアノといった同い年の子の習い事とは少々違っていた。
店の2階が住居なので、幼い頃から店にいることが多かった真琴は、大人に囲まれて育った。幸い常連客は質の良い人たちが大半だったのたが、稀にセクハラまがいの言動を繰り返す客もいた。時には、客のパートナーが店に押しかけ、主人をたぶらかすなと、理不尽な言いがかりをつけてくることもあった。
直子の手伝いをしているうちに、傲慢さ、醜さ、いやらしさ、人間の表裏といったものを否応なく見せつけられた。
直子は地方の観光地で小料理屋を営んでいる。優美な店主によって作り出される一品一品は来店客の舌を唸らせ、直子の一際目立つ品の良さも相まって、予約なしでは入れない人気店と評されている。
特に、直子の作る山菜おこわは絶品で、それだけを目当てにやってくる客も多い。
直子は、その容姿から何人もの男性客にアプローチを受け、その度に、店から足が遠のいてしまわないよう細かく気を配り断っている。
そんな直子が愛した人は、真琴の父親ただ一人。許されぬ恋。
直子はどうしても彼の子供が欲しかった。一緒になれないのなら、彼の子供だけでも授かりたいという欲望が、直子の理性を失わせ、自分が生まれた。真琴はそう思っている。
片親だからと後ろ指を指されないよう、真琴は厳しく育てられた。立ち振る舞いは特に厳しく。習い事は、習字にそろばん、生花、琴、日本舞踊。
スイミングやピアノといった同い年の子の習い事とは少々違っていた。
店の2階が住居なので、幼い頃から店にいることが多かった真琴は、大人に囲まれて育った。幸い常連客は質の良い人たちが大半だったのたが、稀にセクハラまがいの言動を繰り返す客もいた。時には、客のパートナーが店に押しかけ、主人をたぶらかすなと、理不尽な言いがかりをつけてくることもあった。
直子の手伝いをしているうちに、傲慢さ、醜さ、いやらしさ、人間の表裏といったものを否応なく見せつけられた。