婚活

不器用な心（1）

朋美と由佳の一理あるアドバイスを受けてから、自分でも冷静になって和磨の事を考えてみようと思えるようになっていた。和磨は最近は裕樹のところにも顔を出さず、裕樹には　何が原因なんだと何度も突っ込まれたが、何が原因かと言われても答えようがなかった。和磨はどうしてるのかな？不意に思い出す時は、決まって和磨の家の路地を通る時。でもいつも和磨の部屋の電気は消えていた。学校って、結構大変なんだな……。残業で少し遅くなっても和磨の部屋の電気は付いている事はなく、いったい何時頃帰ってきてるのかさえまったくわからなかった。
会いたい？
会いたいと思う？
自問自答したところで、答えはいつもNOだった。何故だろう？でも朋美も由佳もあんな風に言ってたけれど、私からではなく和磨が会いたくなって会いに来る事だって少しは考えられるわけで……。
和磨に会わなくなって一ヶ月が経っている。私から会いたいとは、やっぱり言えない。何となく和磨が会いたいというまで会わずにおこうと、自分の中で決めてしまっていた。最後に会った時の和磨の言葉を何度も思い出す。
「暫く、会うのはよそう」
暫くって、いったいどのぐらいの期間なんだろう？そんな事まで考え込んでる自分が惨めというか、情けないというか……。何でもっと思った事を和磨に　バッと言えないんだろう。前は平気でズケズケ言っていたのに、いったい何が私をそうさせてるのよ。
「お疲れ様でした。お先に失礼します」