婚活
活動再開
「面倒な男……」
「えっ?」
「あぁ、ごめん。つい……。白石って、そんな面倒な男だったんだって思ってさ」
和磨が面倒な男?首を傾げている私に、今度が朋美が口を挟んだ。
「白石も、結局は包容力に欠けるんじゃない?」
和磨はやっぱり年下だって事?
「もし本当に包容力があって、俺について来い!みたいなドーンと構えていてくれる男だったら、そんないちいち珠美の言動や行動なんて気にしないで、グイグイ引っ張っていってくれると思うのよね」
「そうかな……。やっぱり和磨はいろいろ考え過ぎだよね。何でそこまで?っていうか……それは私も感じてたところはあったんだ」
和磨はそれだけ真剣に、いろいろ考えてくれていたのかもしれないけど。
「珠美が悩んでる時に一緒になって悩んじゃったら、お互い困っちゃうもんね」
「やっぱり男はドーンと構えててくれなきゃ。太っ腹な人がいいよねぇ」
朋美は年上が好きだから、そこにどうしても行き着くのかな?
「珠美はどうなの?吹っ切れそう?」
あれ以来、和磨とは会っていないが、前に別れた時は何か心がモヤモヤしていて別れを受け入れる事が出来ずにいたが、今はすっきりすっきりしている。偶に和磨の事を考える時もあるけれど、四六時中というわけではなく、ふとした時にここで喧嘩したな……とか、和磨がここまで追い掛けてきた事など、どうしても地元な分、所謂、和磨との思い出の場所を通ると思い出してしまう事も多々あった。
「だいぶ落ち着いてきたよ」
「そう。だったらもう一度、相談所で紹介してもらおうよ。エントリーしてもらえるよう、ネットのプロフもちゃんと書き直してまた活動しない?」
未来王子か。何か遠い昔の話しのようだけど、相談所で出逢いを求めるのも不謹慎かもしれないが、気晴らしにもなるし、男を見る目も養われるような気がする。
「うーん……」
あれから朋美は小林さんと別れてからも、相談所で紹介してもらっているようだ。
「今度は、私も参加するよ」
由佳が突然、横から会話に入ってきた。
「頼もしいねぇ。由佳も一緒となると気合い入るよ」
「何でよ?私はマイペースで行かせてもらうから」
由佳……。
年下の彼氏と別れて今はフリー。少なからず、私と同じ気持ちを持ち合わせていたりするのかな?
「珠美。いつまでも面倒な男の事なんて考えてないで、世の中の男を見てもっと見る目を持った方がいいよ」
「うん」
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