大切なもの
乃愛とキオ


乃愛は学校へ向かっていた。

今日は母親も朝早くに出掛けてしまい、寝坊してしまった。


「もぅ、急いでも同じだしユックリ行こっ♪」


1人、急ぐ事なく乃愛は歩いた。


まだ顔は幼さを残すが、背も高く、細く伸びた手足はスタイルの良さを表している。


制服のブレザーのポケットから軽快なリズムで携帯が鳴った。


「はいは〜い!」


『遅刻してて呑気な声を出すな!』


「ごめん、キオちゃん!でも、もぅ正門の前だよ♪」

『弁当先に食っちゃうな!』


「直ぐ行くって〜!!」


乃愛は、携帯の電源ボタンを押し走り出した。





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