大切なもの


「乃愛?」


謙一はまだ空気が読めないのか、ケラケラ笑っている。


「見てる…」


「え?何?」


謙一が真剣な顔をしているキオと乃愛に話掛けた。


「謙一、うちら早退するって先生に伝えて」


「え?何でよ?!」


謙一の問いかけにも答えず、乃愛を抱える様にキオは鞄を持ち、教室を出た。










< 24 / 78 >

この作品をシェア

pagetop