大切なもの


「何しに来た?ここは俺の家だぞ。」


KAIは何事もない顔でキオを見た。


「魔界への扉があるからな…楽に行き来できる。便利な家だな。」


「キオ…私は大丈夫だから…」


「乃愛…俺の視線が嫌か?」


乃愛は俯き、首を横に振った。


「KAI…もぅ乃愛を解放してやれ…」


キオが気落ちした声で言った。


「また、人間に狙われる乃愛を見過ごせって?」


顔色、一つ変えないKAIが答えた。


「俺が守る!だから、人間界に来た!」


「父上は何故、お前みたいな奴を使者として下ろしたのか、解り兼ねないね。」

グッと下唇を噛むキオ。




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