大切なもの


魔王が屋敷の門の前に立つと自然に門は開いた。


「初めて会うわけではなかろう。」


「えぇ。下界での彼女の姿は度々見ていましたから。」


「そうか。それでは話は早いな。」


魔王が城の扉に手を掛け、開けると前から腰まで伸びたストレートの白髪を揺るがしながら此方にやってくる初老の男が目に止まる。


「やぁやぁ、シグレよ…久しく会っていない内に白髪になりよったなぁ!(笑)」


「ジジも真っ白でわないか!(笑)」


白髪の2人はケタケタ笑い合い、KAIに目を向けた。


「どうも、ご無沙汰しております。KAIです。」


KAIは深々と頭を下げた。


「おぉ!坊よ!大きくなったなぁ!ふははっ!」


「坊はあんまりですよ、ジジ様。(笑)」


「おぉ、そうだな!(笑)」

3人は屋敷の奥へと進んだ。




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