アンコール マリアージュ
「はい、そのまま!撮りまーす。いいね!」

拓真の声に合わせて、陸と璃子がポーズを取る。

「璃子ちゃん、もう少し目線上に下さーい。はい!そこ」

少しずつ角度を変えながらシャッターを切る拓真と、流れる様にポーズを変えていく陸と璃子。

そんな撮影風景を、真菜は希や有紗と一緒に、うっとりと見つめていた。

「はあー、素敵!桜の花びらがふわっと璃子ちゃんの周りに舞って、まるで花の妖精みたい」

真菜の言葉に有紗も頷く。

「ほんとよねー。同じ人間とは思えない」
「分かります!もう神々しいですよね。希先輩のメイクで、さらに美しいし」

時折、希がメイクを直し、場所を移動する時は真菜がドレスのトレーンを持つ。

途中で衣裳チェンジがあり、希も璃子のヘアメイクを変え、有紗も別のブーケを用意した。

撮影は長時間に及んだが、陸も璃子も疲れた素振りも見せずに終始笑顔で撮影に臨んでいた。

「はい、以上で終了です!お疲れ様でしたー」

拓真の声に続いて、皆が二人に拍手する。

「とってもいい写真が撮れたよ。ありがとう!後日、何枚かプレゼントするね」
「ありがとうございます!拓真さん、凄く綺麗に撮って下さるから、いつも楽しみなんです」

拓真と握手してから、陸と璃子は控え室に戻った。

「璃子ちゃん、ブーケ、プレゼントするわね。持って帰って」
「ええー、いいんですか?ありがとうございます!有紗さん」

希に髪型をハーフアップに変えられた璃子が、ブーケを手に有紗に微笑む。

そんな璃子を、陸も嬉しそうに見つめていた。
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