これが恋だなんて、知らなかったんだよ。
エピローグ




「ねえリップ取れてない?大丈夫?」


「それより私の前髪どう!?整ってる!?」


「いやいやそんなことよりリップ!!」


「いや前髪だってば!!」



今日はいつも以上にクラスメイトの女の子たちが身だしなみチェックに気合いを入れていた。

それもこれも、このあとの3限の授業は1年3組との合同授業。


という理由よりも、実は遥かに大きな理由があった。



「ねえ、例の話さ。もしかしたらあたしかもってことでしょ…?」


「うんうん。私かもね」


「そうそう。まあたぶん、私なんだけどね」



だとしたらちょーヤバくなぁーーい!?と、テンションはもっと上がってしまったようだ。


それは数日前のことだった。

とあるとんでもない噂が、校内に回ってしまったのは。



三好 奈都の好きな人が2年3組にいる───。



2年3組の女子生徒はもちろん発狂の嵐。

それ以外のクラスの女子生徒は……言わずもがな大惨事。



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