乙女戦隊 月影 〜恥じらいの戦士〜
第四話 乙女ソルジャーの秘密
「乙女ソルジャー…参る!」

ブラックは、キリッと上空に浮かんでいるイハンダーを睨んだ。

「あり得ん!月の光がないのに、どうして変身できる!」

イハンダーは銃口をブラックに向けると、銃弾を乱射した。

「…」

ブラックは、両手を円を描くように旋回させると、すべての銃弾を叩き落とした。

「な!?」

唖然としているイハンダーを
無視するように、ブラックは後ろにいるあたしに言った。

「乙女ソルジャーの身を包むムーンエナジーを制御できれば、鉛の玉くらい恐れることはない」

「クッ!」

銃弾を装填し直したイハンダーが、銃口を向けた時には、ブラックは上空にジャンプしていた。

「乙女レッドが、無限にパワーを上げれるならば、ブラックはスピードを上げれる」

イハンダーが、ジャンプしたブラックに合わせて撃った時には、もう前にいなかった。

「速い!しかし!」

イハンダーは剣を抜くと、真後ろに向けて横凪に振るった。

「遅い!」

ブラックの蹴りが、イハンダー背中にヒットした。

「ぐぎゃあ!」

イハンダーは空中から、屋上の床に激突した。

ブラックも床に着地すると、そのまま前転しながら、イハンダーに向かっていく。

回転力をつけ、またジャンプし、体を捻った。

「ブラックルナティック!キック!」

鞭のようにしなった右足のすねに光の刃ができた。

その刃を、レッグラリアットのように首筋に叩き込む。

これが、乙女ブラックの必殺技である。

「クソ」

イハンダーは、キックが決まる瞬間、消えた。

「チッ」

蹴りが虚空を切り裂き、ブラックは着地した。

その瞬間、ブラックは九鬼に戻った。

「やはり…限界か」




あたしは、今までの戦いとあまりにもレベルが違うから、その場から動けなくなっていた。

そんなあたしを、九鬼は横目で見つめていた。


第四話【乙女ソルジャーの秘密】
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