カラダダケの関係に依存していた私の話
「俺が1番辛かった時期に、唯一傍にいてくれたからだよ」


「それだけで?」


「うーん…」


たったそれだけのことで、ずっと私を支え続けてくれているの?


また資格なく心が傷んだ。


全てを真正面から受け止めてくれるNに対して、
私は八方美人で返すなんて、本当にそれでいいのだろうか。


もうこの際、取り繕った一面を剥がしてしまおうか。


「だってあれは、私があの時傍にいたのは、
ただ優越感を感じるためだけだったのに…。

みんながNから離れていくから、
唯一離れていかない私を頼ってくれてた。

もうNには私しかいないんだって思ったら…
嬉しかったの。

あなたのためだなんて思ったこと無い。

私が誰かの1番でいることに優越感を感じたかっただけなんだよ。

だから、あの時の事が気がかりで私から離れられないなら、もういいんだよ」


こういうところ、父にそっくりだ。


本当は思ってないのに、強がりの仮面をかぶって突き放してしまう。


本当は離れて欲しくなんてないのに、私はなんて愚かなんだろう。


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