ベッドの上であたためて
Side Ruka
腕の中で、呼吸に合わせてゆっくりと華奢な身体が揺れる。
体勢を間違えたと思った。
視線を下げても、艶のある長い髪が見えるだけだ。
本当は寝顔を見たいのに。
せめて髪を撫でたいけど、俺が少しでも動くと彼女はすぐに起きてしまう気がする。
まだ俺に対して、ちゃんと心を許してくれたわけじゃないから。
だからもうしばらく、このまま温めて眠らせてあげよう。

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