あの日の出会いに感謝して

あきらめた

わたしはいま、冬夜くんと電車の中にいる。

逃げるとは言ったけど、どこに行くかなんて決まってない。とりあえず、家から離れるために逆方向の電車に乗ったのはいいものの、泊まる場所も食べ物もないなんて、

おわった……

おわった?まあいいかな、こんな人生でも冬夜くんと死ねるならそれでもいいかも。


「…ちゃん、明花ちゃん!」

ハッ

「大丈夫?ずっと上の空だけど」

「あ、うん。ちょっといろいろ考えてた」

「ごめんね。強引に連れてきちゃって」

「あ、ううん、大丈夫だよ!」
「冬夜くんの言う通りあのまま家に帰ってもつらいだけだから、いいんだ…!」

「そっか、一応お金はあるから明花ちゃんは心配しなくていいからね。」
「もう少し進んだら、ホテルを予約して朝まで休もう!」

「う、うん」

さっきも思ったけど、お金はどこから出てくるんだろう?そんなにお金があるなら自分1人でいろいろできるはずなのに……


ほんとに冬夜くんって以外と謎が多い!
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