人間オークション ～100億の絆～

朝食の準備が終わると大広間に如月さんが降りてきた。食事を見るなり驚いた顔をしていたけど全部残さず食べていた。

「次は洗濯と掃除だ。その台車を押して俺の後をついてこい。」

言われた通り台車を押してついていくが見た目以上に台車が重く何秒かに1回壁にぶつかる。

「……お前、壁に穴をあけたら御当主様に怒られるぞ。」

御当主様…それって如月さんのお父さんとお母さんってことかな…？

「…もういい、俺が運ぶ。」
「だ、だめ！私の仕事……。」


咲月さんの腕をつかみ引っ張ると勢いがついて床に倒れ込んでしまった。咲月さんに押し倒されてるようで心臓の音が少し早くなる。

「……御当主様に目をつけられたらいくら且功様でもお前を庇うことはできない。もちろん俺の力も及ばない。」
「え……？」

「……お2人にとっては家族よりも世間体とブランド、財力だけが大事だからな。」





「おい、2人で何をしている。」
「如月さん……？」