人間オークション       ~100億の絆~

Episode7

「埃1つなく、屋敷中が綺麗になっている。随分と頑張ったな、命(みこと)。」
「だって、麗亜さんは汚いと文句言うでしょ…?あの人は嫌い。だけどやっと且功が新しいことを始めようとしてるのに邪魔されるのはもっと嫌だから……。」

「……そんなふうに且功を見られるのはお前だけだよ。且功は今回のことを期に幾つもの取引先との取引を断絶。縋ってくる奴らもいれば且功を陥れようと考えている者もいる。普通ならそんな中、大財閥の神無月家との婚約を解消するなんてことはしない。パイプはある方がいろいろと有利だからな。だけど且功は麗亜様との婚約を切り神無月家をも敵に回そうとしている。」
「でも、麗亜さんは且功のことが好きだから神無月の家の人も困ってるってこと?」

「簡単に言えばそう言うことだ。」


ピンポーン


咲月さんと話をしているとチャイムの音が鳴った。きっと麗亜さんがここに到着したんだ。


「ごきげんよう……って、咲月とちんちくりんがお出迎えなのかしら…?且功さんは忙しいのかしら……。まあ、いいわ。荷物を持ってきたから部屋へ運んでくれる……?」

「この家では自分のことは自分でやってください。もうこの家は前とは違います。」
「あんたには言ってないわよ。咲月、お願いね。」

「……悪いけど俺も荷物は運ばないですよ。もう執事という立場ではないので。」
「は……?何言ってんの…?」

「且功は俺との主従関係と命との玩具としての契約を解消した。今では家族。それだけだ。」
「……それならうちの使用人に運ばせるわ。」

「今回うちに入るのは麗亜様だけと聞いていますので使用人の方は通しません。」
「い、いいわよ!自分で運べばいいんでしょう!?全く私が来てさし上げたのにこんな失礼な態度をとるなんて信じられないわ……。」

ぶつぶつとつぶやきながらズカズカと階段を上っていく麗亜さん。我が儘な人なのは分かっていたけど荷物を運ぶことさえ他人にやらせるなんて……。

「麗亜さん、部屋に案内します。待ってください!」
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