フユノサクラー真冬の夜、恋の桜が舞ったー
=仲間ということ②=



「いや‥、まあ、家の中で何でも話せるってのはいいことだしな。…オレんとこはそういうの今一なんで」


「…」


りゅーじんは常にドライでクールだ


でも、この時はやや違ってた感がカレの顔に見え隠れしていた


マッキはそれをしっかり目撃できていた…


それでもすぐにいつものりゅーじん顔に戻ると、彼はマッキに淡々とこう補足した


「…ラッセルとコンボイには単純明快に言ったわ。お前が昨日、夏本と仙川の女子二人を2分で納得させたのを伝えた上で。…女に説き落とされるより、オレ経由って方がカッコつくべってな(やや苦笑いカオ)」


”確かに単刀直入だよ…(心では笑顔!)”


「で…、二人供。即了解ってことだった。何しろ、ラインでナナボシさんの署名付拝ませてたのが効いたと思う。要は折原の”突き”があってこそ説得できたってこと。オレもそこを読み込んでの上でだったしな…」


「そうだったの…」


この時の二人…、言い知れぬ心地よさを共有できていた…❓❓



***



「だからさ、要は、大した口上垂れた訳じゃない」


”彼はそう言ってたけど…。でも、他の男子だったら、同じこと言っても重戦車の二人だもん、そうスンナリは折れないよ”


「とにかくお礼を言うわ。これで7人、何とか出席意思を取り付けた訳だし。もう、昨日はどうなることかと思ってたもん~」


「ハハハ…、確かにだ」


末樹が、こうもあけっぴろげに笑うりゅーじんの”素顔”のを見たのは、この時が初めてだった…


そして…、どこか勢いでこう願い出た!


「ねえ、横上くんのこと、これからは愛称で呼んでいい?りゅーじんって…」


「可だよ」


これもスンナリだった





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