フユノサクラー真冬の夜、恋の桜が舞ったー

第7章/フユノサクラー真冬の夜、桜が舞ったー

=真冬の夜、桜が舞った①=



雑食グループ、第2回討論会前日の夜…


マッキはレジメの最終チェックで、パコソンの画面に向かっていた


”トントン…”


「ああ、お母さん?入って…」


夜11時半を過ぎたところで、折原家2階の東南角部屋であるマッキ・ルームに母親の直美が入ってきた


「末樹、遅くまで大変ね。さあ、レモンティー入れて来たから、一休みしなさい」


「ありがとう。もうすぐ終わるからさ。そこのテーブルに置いといて」


直美はカップとシュガーを丸いミニテーブルに置くと、机に向かっている娘の背中にしばし視線を投げていた


***


「…例の集まり、前回と同じところ?」


「うん、市民ホールでね。たぶん、帰りもこの前と同じくらいかな…」


「じゃあ、横上病院んとこの男の子に、また送ってきてもらえるの?」


「どうかな…。でも、りゅーじんと私は他のメンバーが帰ってから、いろいろ打合せとかすると思うから…。彼、夜道は危ないんでって、明日も送ってくれるかな。はは…」


***



「あのね、末樹…。あなたももうまるっきりの子供じゃないんだから、余分なことは言わないつもりだけど…。あまり無防備は考えものよ。いい?」


ここでマッキは座ったまま後ろを振り返り、母に顔を向けた


そして、やや硬い顔つきのまま口を開いた


「お母さん…、何が言いたいのよ!それって…、りゅーじんのこと気をつけろとかって‥、そういうことなの?」


その言葉は詰問っぽかたったが…、とは言え、口調は決して激しいものではなかった


「ふう…、お母さんだって、横上君がいい子らしいっていうのは承知してるわよ。でもね…、”今度の”お母さん…、ちょっと、いろいろあるみたいだから…」


”やっぱりか!…りゅーじんがさりげなく言ってたこと、私のお母さんの耳にまで…”


マッキは、まだ面識すらないりゅーじんの”今度のお母さん”という存在に、どこか不快感に近い感情を抱かざるを得なかった


すでに…


どうしても





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