Rhapsody in Love 〜二人の休日〜


——とにかく、動かないと……!


そう思って、無心になって掃除機をかけた。それから、雑巾を探したが分からなかったので、自分のタオルを一枚犠牲にして雑巾がけをした。雑巾がけが終わったら、キッチン。キッチンが終わったら、トイレ。
とにかく、遼太郎は汗ばむほどに動くことに徹し、掃除をして回った。


——動いて疲れてたら、今夜はきっと眠くなるはず……。


自制が効かずヤリまくってしまった昨夜の自分には、本当に呆れてしまう。みのりからどんな風に思われているのか考えてしまうと、顔から火が出そうになる。

とにかく、みのりには〝ヤル〟ことしか考えてない男とは思われたくない。そのためには、みのりを〝愛しい〟と思うたびに自分から湧き出してくる衝動を、もう少し抑えなければならない。自分をコントロールするスキルというか精神力というか、そういうものを高めなければならない。遼太郎は、そう心に固く自戒した。


掃除が一通り終わり、他に何かすることはないかと遼太郎が考えていた時、玄関のドアに気配がした。鍵が開錠されドアが開くと、


「ただいま」


と、みのりがそこに姿を現した。


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