素敵後輩の隠し事




そんなこと知らない城内君は、もうすでにユニフォームに着替えている。

私も仕方がなく、色気のないジャージの上からユニフォームを被った。




城内君をはじめとする男性陣はやる気満々だが、私が足を引っ張ることは分かっていた。

そして意地悪な春田さんが、


「矢田さんならやってくれるよね?」


なんてプレッシャーを与えてくるから逃げるように去った。

そして、木陰のベンチに座ろうとしたが……木の陰で着替えている人と視線がぶつかった。




半裸の橘さんはシャツを手に持ちながら、驚いたように私を見る。

橘さんは痩せていて貧弱な体つきに見えたのに、まるでアスリートのような無駄のない筋肉がついていて驚いてしまう。

微かに傷跡のある胸板なんてなんだか色気すらあって……


「ぎゃあああああ!!」


私は思わず叫び声を上げていた。


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