Cherry Blossoms〜いのちのかたち〜

「姉ちゃん！古くなって使わないマフラー持って来たよ〜！巻いてあげてもいい？」

「目はこのボタンでいいか？紫色、派手でいいだろ？」

そう言いはしゃぐのは、一花の双子の弟の一央（いお）と伊一（いいち）だ。そして、その近くにはーーー。

「わっ、このマフラー可愛いわね！ボタンもとっても素敵！これで可愛い雪だるまが完成するわね！」

そう言いはしゃぐのは一花だ。桜士の胸がトクンと音を立てる。白い息を吐き、子どものように笑う一花はとても可愛らしく見える。

「四月一日先生、伊一くん、一央くん、おはようございます」

気が付けば、桜士は三人に挨拶をしていた。雪だるまを作っていた三人は桜士を見つめ、一央が人懐っこい笑みを浮かべる。

「あっ、本田先生だ！おはようございます！」

「本田先生、おはようございます。雪、たくさん積もりましたね〜」

一花は少し恥ずかしそうにしつつ、桜士に挨拶をする。その傍にはまだ作りかけの雪だるまがあった。