可愛いのは、僕じゃない


「いや、そっ、そうだね。
キミ可愛いし、いいと思うけど.........」

「はい、なんですか?」

「いや、やっぱ、大福だけで大丈夫です‼︎」

「ありがとうございました♪」



初めてのお客様は、
真弥に見送られて、少し複雑な顔をしてから。



お店を出て行った.....................その直後。



「............なに、してたの?」



いつもより低い真弥の声。



そんな声を出すのはあまりないのに。



「えっと.........笑顔で接客、」



私がそう答えると真弥は...............



「...............ふーん。そう」



いつになく、
つまらなさそうな声を出してから、店先に戻って行った。


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