好き……その言葉が聞きたいだけ。【完】
「……それで、話というのは?」
公園に着いた私たちはベンチに座ると、早速本題に入った。
「……その、律のこと、なんだけど……。律から、わたしのことは、何か聞いてるのかな?」
「……ええ、聞いてます。元カノだったこと、それと、今は律のお兄さんの奥さんだってこと……それから、律を、裏切って悲しませたことも」
「そう……」
「……私も、貴方に聞きたいことがあります」
「何、かしら?」
私は、一つだけ鈴さんに聞いてみたいことがあった。とても意地悪な質問かもしれないけど、これだけはどうしても聞かずにはいられなかった。
「どうして、お兄さんのことが好きだったのに、律と付き合ったりしたんですか? お兄さんに彼女が出来た時、律に優しくされたから?」
「そ……それは……」
「……私、律から話を聞いた時、貴方のこと、すごい腹立たしく思った。思わせぶりなことして、律を傷付けて……結局お兄さんと、結婚までしちゃうとか……律のこと、何だと思ってんのかなって思いました」
「…………」
私が責め立てるように言ったからか、鈴さんは唇を噛み締めたまま、何も言い返して来ない。
「律を苦しめて楽しい? 少しでも悪いと思ってるなら、律に会いに来ないで下さい。今は私が律の彼女だし、私が、律を幸せにするから、だから、私たちの邪魔をしないで下さい」
言い返して来ないのが余計にムカついた私はこれでもかと彼女を責め続け、もう会いに来ないで欲しいと告げる。
正直、これは私が決めることではないのは分かってる。
でも、もしかしたら、心の奥では律も鈴さんに会いたいと思ってるかもしれない。そんな不安があるからか、これ以上姿を見せて、律の心をかき乱さないで欲しかったの。
そんな私の気持ちが伝わったのか、
「……そうよね。ごめんなさい。貴方の言う通りよね。もう、来ないわ。さようなら」
申し訳無さそうな表情を浮かべた鈴さんはそれだけ言うと、私を残して走り去って行った。
(……これで、良かったんだよね……? でも、こんなに不安になるのは、どうして?)
言いたいことは言えたし、思い通りの展開になったはずなのに、私の心は何故だかザワついて不安が拭えずにいた。
公園に着いた私たちはベンチに座ると、早速本題に入った。
「……その、律のこと、なんだけど……。律から、わたしのことは、何か聞いてるのかな?」
「……ええ、聞いてます。元カノだったこと、それと、今は律のお兄さんの奥さんだってこと……それから、律を、裏切って悲しませたことも」
「そう……」
「……私も、貴方に聞きたいことがあります」
「何、かしら?」
私は、一つだけ鈴さんに聞いてみたいことがあった。とても意地悪な質問かもしれないけど、これだけはどうしても聞かずにはいられなかった。
「どうして、お兄さんのことが好きだったのに、律と付き合ったりしたんですか? お兄さんに彼女が出来た時、律に優しくされたから?」
「そ……それは……」
「……私、律から話を聞いた時、貴方のこと、すごい腹立たしく思った。思わせぶりなことして、律を傷付けて……結局お兄さんと、結婚までしちゃうとか……律のこと、何だと思ってんのかなって思いました」
「…………」
私が責め立てるように言ったからか、鈴さんは唇を噛み締めたまま、何も言い返して来ない。
「律を苦しめて楽しい? 少しでも悪いと思ってるなら、律に会いに来ないで下さい。今は私が律の彼女だし、私が、律を幸せにするから、だから、私たちの邪魔をしないで下さい」
言い返して来ないのが余計にムカついた私はこれでもかと彼女を責め続け、もう会いに来ないで欲しいと告げる。
正直、これは私が決めることではないのは分かってる。
でも、もしかしたら、心の奥では律も鈴さんに会いたいと思ってるかもしれない。そんな不安があるからか、これ以上姿を見せて、律の心をかき乱さないで欲しかったの。
そんな私の気持ちが伝わったのか、
「……そうよね。ごめんなさい。貴方の言う通りよね。もう、来ないわ。さようなら」
申し訳無さそうな表情を浮かべた鈴さんはそれだけ言うと、私を残して走り去って行った。
(……これで、良かったんだよね……? でも、こんなに不安になるのは、どうして?)
言いたいことは言えたし、思い通りの展開になったはずなのに、私の心は何故だかザワついて不安が拭えずにいた。