酔いで寄りたいの。

ある夜の帰り道

「え?…ゆう、すけも?」

酔いがまわってうまく喋れない中私が尋ねると、ゆっくり頷く悠介。

「一緒に帰ってやるかぁー」

「別に、いいのに」

私がいつまでも意地を張っているとふはっと悠介が笑う。

「この、猫が。ツンデレめ」


2人で月の下を歩く。

完全に酔っ払ってしまった私の足取りは覚束ない。

フラフラと頼りない歩き方をしている。

私が真っ直ぐ歩かないから、たまに肩が触れ合ったりする。

その度に体が火照る。

ゆっくり歩いて、行き先もわからないまま上を向く。

月が、キラキラしてる。

横を向くと、悠介も月を見てた。
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