覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)



 語ることがないな。

 八尋は自宅のデスクで、スマホをつかんだまま困っていた。

 いつものように叱ることならできそうだが。

 語ることは思いつかない。

 ……とりあえず、叱ってみようか、と思ったが。

 不思議なことになにも思い浮かばなかった。

 秋馬がいたら、
「いやいやいや。
 たくさんあるでしょうっ?

 昨日今日のあいつの言動を思い返してみてくださいっ」
と叫んでいたことだろう。
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