こじらせイケメン葉澄くんの愛が重い!

第1話 隣の席の葉澄くん

〇2年A組の朝のHR。
 お団子頭がトレードマークの潤が転校生として皆に紹介されている。

潤「はじめまして、佐々木(うる)です。父の転勤でこの町に引っ越してきました。よろしくお願いします!」
先生「席はこの列の一番後ろな。みんな、佐々木にいろいろ教えてやれよ~」

 皆が返事をする中、潤は席に着く。
 右隣の男子生徒が「よろしく~」と迎えてくれ、潤も笑顔で答える。
 左隣の席(窓際)は空席だった。

 HRが終わると、潤の前の席に座っている女子・ちひろがさっそく話しかけてくる。別の席にいた彩香も近寄ってくる。
 ちひろ:ギャルっぽい見た目。キャラ物が好き。
 彩香:ちひろとは幼馴染。清楚な優等生タイプ。

ちひろ「よろしく、佐々木さん。あたし、森口ちひろ」
彩香「浅井彩香です。潤って呼んでもいい?」
潤「もちろん!」
彩香「自己紹介の時に思ったんだけど、潤ってもしかして関西方面出身?」
潤「えっ、訛ってる⁉」
彩香「関西弁まではいかないけど、イントネーションがちょっと違ったから……」
潤「地元は関東(こっち)の方だよ。でも、うち、お父さんが転勤族でさ、ここに来る前は滋賀の方にいたんだ~」
クラスメイトA「えっ、佐々木さん滋賀にいたの⁉ 俺、ばーちゃん家が滋賀でさ~、どの辺に住んでたの?」
ちひろ「滋賀ってどこだっけ?」
クラスメイトB「琵琶湖!」
クラスメイトC「あっ、わたし、旅行行ったことある」

 近くにいたクラスメイトも交じってワイワイ。
 誰とでも仲良くなれ、すぐにクラスに溶け込む潤。

潤(子どものころから引っ越しばかりしてるから転校にもすっかり慣れちゃった)

 牛と戯れる幼少期、中華街でピースする小学生時代、たこ焼きを買い食いしている中学生時代……と頭の中で今までの思い出がよぎる。

潤「そういえば、わたしの隣の席の人って休み?」
彩香「どうだろう? 今日は来るのかな?」
ちひろ「仕事で忙しいから来たり来なかったりだよ。潤、この人知らない?」

 ちひろが見せてくれたスマホの画面にはイケメンの写真が。
 シンプルなシャツをはだけ、けだるそうに流し目を送っている姿は……。

潤「御門葉澄(みかどはすみ)⁉」
ちひろ「正解~!」
潤「モデルの⁉ えっ、すごい、この学校なの⁉」

 高校生モデルとして活躍する葉澄は、女子高生向けの雑誌でも良く取り上げられていた。身長181センチの高身長で、高校生とは思えないクールな色っぽさがある。

彩香「すっごいイケメンだよ~。だから早退や遅刻も多いし、来たり来なかったりなんだけど」
潤「えーっ、どどどどーしよーっ! 隣の席なんてききき緊張して……、仲良くできるかな⁉」

 ややウケ狙いで、大げさにはしゃいだリアクションをする潤。
 彩香&ちひろは意味ありげな生ぬるい笑みを浮かべている。

ちひろ「仲良く……」
彩香「できるといいね……」
潤「へ???」

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