乙女は今日も夢を見る
**第2章** 波乱万丈、文化祭

始業式と予期せぬ再会


*****

「おはよ〜。課題終わったー?」

「ギリギリ…。昨日は徹夜したわ」

「バカね〜計画的にやんないからだよ」

キャッキャと楽しそうな会話が教室内を飛び交う。

私は、そんな光景を遠目から眺めつつ、ゴクリと息を呑んでソッと自分の席に向かった。

今日は、夏休み明けの始業式。

夏休みの文化祭準備中は、クラスメイト達ともだいぶ打ち解けていたと自分でも感じていたけれど、1週間ほど合わない期間が不安を募せる。

もしかして、しばらく話さない期間があったから…またぼっちに戻ってしまっているのでは…?と。

ゴールデンウィークの時もそうだったし…。

大丈夫…。まずは自分から「おはよう」って言うんだ…。よし!

「おは…」

気合を入れ直し、とりあえず近くの席の女子に挨拶をしようとした時。

「あ…!高梨さんじゃん。おはよう〜!高梨さんは課題終わらせたー?」

私に気づいた女の子の方から先に、声をかけてくれたものだから思わず目をしばたたかせる。

「お、おはよう…!課題はなんとか終わらせたよ…多かったよね」
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