乙女は今日も夢を見る

予想外の問いかけに私は目が点になる。

「先越されちゃったけど、俺も高梨さんに伝えたくて…俺、高梨さんのこと」

真剣な表情の観月くんにドキドキと、心臓が早鐘を打つのを感じた。

「す…」

「ニャン!」

す、ニャン…?

その時、さっきまで昼寝をしていたおもちがタイミングよく鳴き声をあげるものだから、観月くんの声と被ってしまうというハプニングがおきてしまい…。

あ然としている彼をよそに、どこ吹く風のおもちはのんきに草むらで伸びをしている始末。

「…っふふ、ゴメンね。タイミングが…」

笑う場面でないことはわかっているがあまりにも絶妙なタイミングに思わず笑いを堪えきれなかった私。

「高梨さん…ちょっと」

未だに笑いを堪えている私に対して、ちょいちょいと手招きをする観月くん。

ん?と思い近寄った時。

「好きだよ」

耳元でかけられた言葉にカチンと身体が固まった。

「…っ!?」

不意打ちで真っ赤になる私を見て、観月くんは満足そうに、いつもより若干、意地悪そうな笑顔で微笑んでいた――。


*****


「観月くんって…結構意地悪いんだね…」

「俺、わりと好きな子はいじめたいタイプだよ?」

…!?

*END*
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