乙女は今日も夢を見る

「二人には本当に心配かけて…それにこうして忙しいのにちょくちょく電話で話聞いてくれてありがとう」

そう言って、お礼を言う私に対して「今更ね」「だな」と、笑い合う二人に私も自然と笑顔になる。

二人がいてくれてよかったな…。

悩んだ時も、花鈴と咲人がいてくれたからぼっちでもあまり気にせずにいられたんだと思う。

心の中で素直に二人に感謝をしていると…。

「それで、その初めてできた友達ってどんな子なの?」

花鈴が興味津々な様子で私に問いかけてきた。

「あ、そうそう。俺も聞きたかった。なんて子なの?」

それに咲人も便乗してくる。

「同じクラスで、観月くんっていうの。今後は学級委員も一緒だし、頑張らないとって思ってるんだ。観月くん男女問わず人気があって友達も多くてね…私とは正反対というか本当に頼りになるんだよ」

< 54 / 230 >

この作品をシェア

pagetop