乙女は今日も夢を見る

「ありがとう。じゃあ畠中には俺から話ししておくから。友達にもよろしく言っておいて…!あ、てか今更だけど高梨さんこれ俺のチャットのID。今後、学級委員のこととかでも連絡すること増えるだろうし登録しといてよ」

そう言って、パッとIDが書かれたメモを私に手渡し、爽やかな笑みを浮かべ自分の席へと戻っていく観月くん。

私は若干呆気にとられながらも素直にメモを受け取った。

私もクラスメイトの人ともっと仲良くなって友達ができるように頑張りたいって思ってたところだし…。

それに、観月くんと仲の良い畠中くんだったら話しやすそうだし…いい機会かもしれないな。

…後で登録しとこうっと。

そんなことを考えつつ、私は受け取ったメモをとりあえず筆箱に入れ、1時間目で使う英語の準備を始めた。


しかし、そんな私と観月くんとのやり取りを遠目から面白くなさそうに見ている人物がいたことに…この時の私は気づいていなかったんだ――。
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