幸せを受け止めて~騎士団長は月夜に淑女をさらう~
騎士団に復帰したクララは気合十分なようで、
その気迫はギュンターも心配になるほどだった。
(今の王妃様はルイーザにしてやられて、孤立しているからな。その一因にクララ自身が噛んでいるから責任感じてるのかも。)

主人の名誉を守ろうと孤軍奮闘するクララの姿を
ギュンターはついつい目で追ってしまっていた。
そんなクララを一生懸命で可愛いと思ってしまう自分自身にも驚く。

女、特に貴族階級の女は金やステイタスが大好きで、
条件の良い男がいればさっさと乗り換えてしまう軽薄な生き物だと
ギュンターは思っていた。
王妃の座を執拗に狙っていたルイーザが最たる例だろう。
自身の純情を踏みにじられた苦い経験から、
ギュンターは恋や愛というものにふたをしてしまったのだ。
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