幸せを受け止めて~騎士団長は月夜に淑女をさらう~

抑えきれない嫉妬

”王妃様を守る”というクララの健気な奮闘も空しく、
事態は悪い方へと展開してしまった。

王妃は孤児院での慈善事業を始めたのだが、
その孤児院で偶然にもかつての幼馴染の男と再会。
その幼馴染の祖母であり、自身の乳母だった女性が死亡したことを知ったときに
号泣する王妃を慰めようと幼馴染が抱きしめたところを
ルイーザ派の人間に写真に撮られ、
王妃が不貞を働いたとスキャンダルになったのだ。

さらにユリウスが地方に遠征している間に、
王妃が失踪してしまい、
これが引き金となってウィステリアとの戦争が勃発してしまう。
シュヴァルツ公の主導で戦争が始まってしまったが、
なんとか事態を収拾しようとユリウスやギュンターは動いていた。

ウィステリアのウィリアム国王へと接触する糸口がないかと探っていく中で、
失踪した王妃は実はウィリアム国王の姪で、彼に保護されていたことを突き止めた。
王妃を仲介役にしてウィリアム国王と接触するため、
王妃の幼馴染であるアランに王妃との接触を依頼する。
アランが引き受けたため、
ギュンターがアランをウィステリアの王都ハートシードまで護送した。
すると、どこからともなくクララが姿を現すではないか。
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