捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました2

26話 これぞ新婚旅行


 一週間もお世話になった宿屋を後にして、向かった先はアステル帝国となった帝都だ。クライブ皇帝となり、着々と制度を整えていっている。ここは引き続きアステル帝国の帝都になると発表されていた。

 気取らずに街を回りたかったので、私とアレスは目立たない格好をしている。
 アレスはフードつきの深緑のロングマントに白いチュニックと濃紺のスリムパンツ、私はロイヤルブルーのショートマントとタイトなミニワンピースにグレーのタイツとロングブーツを合わせていた。

 こんなに短いワンピースが初めてで最初は抵抗したけれど、アレスが「俺がロザリアのために選んだ」というので勇気を出して着てみたのだ。満足そうに夜空の瞳を細めるアレスを見れば、私の恥ずかしさなど消し飛んでしまう。

 ご機嫌のアレスと一緒に色々な店舗を覗いて、竜王様たちにお土産を買ったりした。

「アレス、今度はあの店に入ってみたいわ」
「あのカフェか? 俺も喉が渇いていたからちょうどいいな」

 私が目をつけたのは、帝都でも人気と噂の老舗洋菓子店だ。カフェテラスも併設しており、店内でも極上のスイーツが楽しめる。人気の店だけあって少し並んでから、店内へと通された。

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