転生公爵令嬢のイチオシ!

放課後に図書室でストライブ様と勉強会を始めてから数日が過ぎた。

「あ!分かりましたわ!」

本当に教え上手なストライブ様でとても勉強になる。

「合っていますね」

ニコリと微笑んでくれた。

問題を解いている時も、教えてくれている時も優しい眼差しのストライブ様。
親近感のある黒に見える濃茶の髪ということもあり、私の人見知りもストライブ様に対してはなくなってきた。
なんというか、見守ってくれているような瞳で微笑んでくれる。
笑うと目尻が少し下がって可愛らしくなるのだ。

こうして近くで見るとひとつ年上だけど、私より年下に見えるような…。
年上の男性に対して失礼かしら?

そして、周りからの視線をたびたび感じる。
ストライブ様を見てるのかしら?
ご令嬢達が頬を赤く染めていたり、見かけて喜んでいたり。
本当に人気があるのね。

…でも、分かるわ!!
笑った顔が可愛らしいもの!
会話が苦手なメリアーナだけど、ストライブ様を間近でこっそり見ることも勉強会の楽しみになりつつある。

「どうかしましたか?」

勉強とは全く関係ないことを考えていた私を心配そうに見ているストライブ様。

はっ!いけない!

「い、いえ。何でもありませんわ」

「クスッ。そうですか?疲れたようでしたら休憩しますか?」

笑った!いえ、笑われた?
でもやっぱり可愛いわ!

でも勉強会はほんの短い時間だけにしている。
あまりストライブ様のご負担になってはいけないからね。
あとは…。

「メリア。迎えに来たよ」

そう。お兄様だ。
妹大好きな美麗お兄様が心配して生徒会の用事を急いで終らせて迎えに来てくれる。

「ストライブ様。本日もメリアに勉強を教えてくださり、ありがとうございました」

「いえ、私も勉強になりますので」

…タイプの違う美形がふたり。
この時間、楽しすぎる。
そして、周りが最もざわつく時である。

ホゥッと見惚れているとお兄様が私の肩に手を回してギュッと抱きしめた。
そして、私を見て微笑む。

「では帰ろうか」

「は、はい。ストライブ様、本日もありがとうございました。とても勉強になりましたわ」

お辞儀をしてお礼を伝える。
手に持っていた鞄に付いているイッチくんマスコットも揺れる。

「いえ、こちらこそ。ではまた来週に」

ニコリと笑った!
可愛い天使の微笑み!

見つめていたらお兄様にグイッと方向転換させられた!
妹大好きなお兄様が嫉妬しちゃう!

お兄様!まだまだメリアはお兄様の妹ですよ!
15歳らしくお兄様に甘える。

「お兄様!お迎えに来てくださってありがとう!」

ギュッと抱きついた。
お兄様、大変満足したようである。


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